ターミナルケア(終末期医療)を受けられる施設とは?施設を選ぶポイントも紹介

この記事では、ターミナルケアを必要とする方やそのご家族に向けて、ターミナルケアに関する基礎知識から、適切な施設を選ぶためのポイントまでを解説します。終末期医療に対する理解を深め、安心して過ごせる施設選びにお役立てください。
目次
- ターミナルケアとは?看取りとの違い
- シチュエーション別のターミナルケア
- ターミナルケアで大切なこと
- ターミナルケアを依頼する施設を選ぶポイント
- ターミナルケア施設の費用について
- ターミナルケアに関するQ&A
- まとめ
ターミナルケアとは?看取りとの違い
ターミナルケアの定義
ターミナルケアとは、終末期医療の一環として行われるケアのことです。具体的には、治療が困難となった病気を抱え、余命が数ヶ月以内と診断された患者さんに対し、身体的苦痛や精神的な苦悩を緩和し、QOL(生活の質)を維持・向上させることを目的とした医療や看護、介護、およびその家族へのサポートを指します。患者さん本人の意思を尊重し、可能な限りその人らしい生活を送れるように支援することが重要です。
看取りとの違い
ターミナルケアと看取りは、どちらも終末期に行われるケアですが、その焦点が異なります。ターミナルケアは、残された時間をできる限り快適に過ごせるように、積極的な症状緩和や心理的なサポートを行うことを重視します。一方、看取りは、死が近づいた状態の患者さんに対し、苦痛を和らげながら、自然な最期を迎えられるように寄り添うケアを指します。
具体的には、ターミナルケアは、痛みや呼吸困難などの症状を緩和するための医療処置や、栄養管理、リハビリテーションなどを含みます。看取りでは、これらの医療的なケアに加えて、患者さんの精神的な安定を促し、家族との時間を大切にできるようサポートします。患者さんの状態や希望に応じて、両方のケアを組み合わせることもあります。
ケアの種類 | 目的 | 特徴 |
ターミナルケア | 症状緩和とQOLの維持・向上 | 積極的な医療処置、栄養管理、リハビリテーションなどを含む。患者さんの意思を尊重し、その人らしい生活を支援。 |
看取り | 自然な最期を迎えられるようサポート | 苦痛緩和に重点を置き、精神的な安定を促す。家族との時間を大切にできるよう支援。 |
ターミナルケアの目的
ターミナルケアの主な目的は以下の通りです。
- 苦痛の緩和: 痛み、呼吸困難、吐き気などの身体的な苦痛を和らげ、患者さんが安楽に過ごせるようにします。
- QOLの維持・向上: 患者さんが可能な限り自分らしい生活を送れるように、身体機能の維持や精神的なサポートを行います。
- 精神的なケア: 不安や孤独感、死への恐怖など、精神的な苦悩を抱える患者さんの心のケアを行います。
- 家族へのサポート: 患者さんの家族に対し、精神的なサポートや介護方法の指導などを行います。
- 尊厳の保持: 患者さんの意思を尊重し、人間としての尊厳を保ちながら最期を迎えられるように支援します。
シチュエーション別のターミナルケア
ターミナルケアは、患者さんの状態や希望、家族の状況などに応じて、さまざまな場所で受けることができます。主な場所としては、自宅、医療機関、介護施設などがあります。
自宅でのターミナルケア
自宅でのターミナルケアは、住み慣れた環境で最期を迎えたいという患者さんの希望を叶えることができます。訪問医療や訪問看護、訪問介護などのサービスを利用しながら、自宅で療養生活を送ります。家族が中心となってケアを行うことが多いため、家族への負担軽減のためのサポート体制も重要になります。
自宅でのターミナルケアでは、以下のようなサービスが提供されます。
- 医師による定期的な訪問診療
- 看護師による訪問看護
- 介護福祉士による訪問介護
- 薬剤師による服薬指導
- 管理栄養士による栄養指導
- リハビリテーション専門職による機能訓練
医療機関でのターミナルケア
医療機関でのターミナルケアは、病院やホスピスなどの専門施設で行われます。専門的な医療スタッフによる24時間体制のケアを受けることができ、容態が急変した場合にも迅速に対応できます。
医療機関でのターミナルケアでは、以下のようなサービスが提供されます。
- 医師による診察、治療
- 看護師による看護
- 薬剤師による服薬管理
- 管理栄養士による栄養管理
- 理学療法士、作業療法士などによるリハビリテーション
- ソーシャルワーカーによる相談支援
介護施設でのターミナルケア
介護施設でのターミナルケアは、介護が必要な高齢者の方が入居する施設で、終末期を迎えるまでの期間、生活をサポートするものです。介護施設の種類によって、提供されるサービス内容や医療体制が異なります。介護付き有料老人ホームなどでは、看取りまで対応可能な施設もあります。
介護施設でのターミナルケアでは、以下のようなサービスが提供されます。
- 食事、入浴、排泄などの日常生活の介助
- 健康管理
- 機能訓練
- レクリエーション
- 看取り介護
ターミナルケアが可能な施設を探す際は、施設の種類や提供されるサービス内容、費用などを比較検討し、患者さんの状態や希望に合った施設を選ぶことが大切です。
訪問看護ステーションでのターミナルケア
訪問看護ステーションは、ターミナルケアを自宅で受けたいという方にとって、重要な選択肢の一つです。看護師が定期的に自宅を訪問し、医療的なケアや生活支援を行います。訪問看護ステーションは、医師の指示に基づいて、痛みの管理、創傷ケア、呼吸管理などの医療処置を提供します。また、患者さんの精神的なサポートや、家族への介護指導、相談なども行います。24時間対応可能なステーションもあり、緊急時にも安心して対応してもらうことができます。訪問看護ステーションを利用することで、住み慣れた家で、家族に見守られながら最期を迎えるという希望を叶えることが可能になります。
ターミナルケアで大切なこと
患者さんの意思の尊重
ターミナルケアにおいて最も大切なことの一つは、患者さん本人の意思を尊重することです。どのような終末期医療を受けたいか、どこで最期を迎えたいかなど、患者さんの希望を十分に聞き、可能な限りその意向に沿ったケアを提供することが重要です。患者さんの意思は、書面による意思表示(リビングウィル)や、家族との話し合いなどを通じて確認します。判断能力が低下している場合は、家族や医療チームが協力して、患者さんの最善の利益となるように意思決定を行います。
身体的苦痛の緩和
ターミナルケアでは、患者さんの身体的な苦痛をできる限り緩和することが重要です。痛み、呼吸困難、吐き気、倦怠感など、様々な症状に対して、薬物療法やその他の緩和ケアを提供します。痛みの管理は、患者さんのQOL(生活の質)を大きく左右するため、特に重要です。痛みの種類や程度に応じて、適切な鎮痛剤を選択し、定期的に効果を評価しながら、患者さんに合わせた調整を行います。非薬物療法として、マッサージや温罨法なども有効です。
精神的なケア
終末期を迎える患者さんは、不安、恐怖、孤独感など、様々な精神的な苦悩を抱えていることがあります。ターミナルケアでは、患者さんの精神的なケアも重視し、心理カウンセラーやソーシャルワーカーなどが、患者さんの心のケアを行います。患者さんの話を丁寧に聞き、共感し、寄り添うことが大切です。必要に応じて、精神安定剤や抗うつ薬などの薬物療法も検討します。また、宗教的なサポートや、趣味活動の支援なども、患者さんの精神的な安定に役立ちます。
家族へのサポート
ターミナルケアは、患者さんだけでなく、その家族にとっても大きな負担となることがあります。介護疲れや精神的なストレスなど、家族が抱える問題に対して、医療チームは積極的にサポートを行います。介護方法の指導、精神的なカウンセリング、レスパイトケア(一時的な介護休止)の提供など、様々な支援を通じて、家族の負担を軽減します。また、患者さんの死後には、グリーフケア(悲嘆ケア)を提供し、家族が悲しみから立ち直るためのサポートを行います。
ターミナルケアを依頼する施設を選ぶポイント
施設のサービス内容
ターミナルケアを提供する施設を選ぶ際には、提供されるサービス内容を十分に確認することが重要です。医療的なケア、介護サービス、リハビリテーション、精神的なサポートなど、どのようなサービスが提供されるのか、患者さんのニーズに合わせて検討します。また、看取りまで対応可能かどうか、24時間体制でケアを提供しているかどうかも確認しておきましょう。施設のサービス内容については、パンフレットやホームページなどで確認するだけでなく、実際に施設を見学し、スタッフに直接質問することをおすすめします。
施設の費用
ターミナルケアを提供する施設の費用は、施設の種類やサービス内容によって大きく異なります。入院費用、介護費用、居住費など、どのような費用がかかるのか、事前に確認しておくことが重要です。費用を比較検討する際には、初期費用だけでなく、月々の費用も考慮に入れる必要があります。また、高額療養費制度や介護保険などの利用についても検討し、経済的な負担を軽減する方法を探しましょう。費用の詳細については、施設に直接問い合わせるか、専門の相談窓口に相談することをおすすめします。 (参考:厚生労働省- 高額療養費制度について)
スタッフの質
ターミナルケアを提供する施設を選ぶ上で、スタッフの質は非常に重要な要素です。医師、看護師、介護士、リハビリ専門職など、多職種のスタッフが連携し、患者さんの状態に合わせた終末期医療を提供できる体制が整っているかを確認しましょう。
- 資格と経験: スタッフの資格や経験、研修の受講状況などを確認し、専門的な知識やスキルを持っているかを確認します。特に、緩和ケアに関する専門的な研修を受けているスタッフがいると安心です。
- コミュニケーション能力: 患者さんや家族の気持ちに寄り添い、丁寧にコミュニケーションを取ってくれるかどうかも重要なポイントです。
- チームワーク: スタッフ間の連携がスムーズで、情報共有がしっかりと行われているかを確認します。
- スタッフの比率: 患者数に対して十分な人数のスタッフが配置されているか確認します。人員が不足していると、十分なケアが提供されない可能性があります。
施設の環境
施設の環境は、患者さんのQOL(生活の質)に大きく影響します。
- 清潔さ: 施設内が清潔で、衛生管理が徹底されているかを確認します。
- 快適さ: 居室の広さ、明るさ、温度、湿度などが快適に保たれているかを確認します。
- 安全性: バリアフリー設計になっているか、転倒防止対策が施されているかなど、安全面に配慮されているかを確認します。
- 静かさ: 周囲の騒音が少なく、静かな環境で過ごせるかを確認します。
- アメニティ: レクリエーションルーム、談話室、庭園など、患者さんがリラックスできるスペースがあるかを確認します。
- アクセス: 家族が訪問しやすい場所にあるか、交通の便が良いかなどを確認します。
ターミナルケア施設の探し方
ターミナルケア施設を探す場合、以下の方法が考えられます。
- インターネット検索: 「ターミナルケア 施設 東京」などのキーワードで検索し、施設の情報を収集します。
- 医療機関への相談: 現在通院している医療機関の医師や看護師に相談し、適切な施設を紹介してもらいます。
- 地域包括支援センターへの相談: 地域包括支援センターは、高齢者の総合的な相談窓口です。ターミナルケアに関する相談も受け付けており、地域の施設情報を教えてもらえます。
- 介護相談窓口への相談: 介護に関する相談窓口に相談し、施設の情報を収集します。
- 介護情報サイトの活用: 介護情報サイトでは、施設の検索や比較ができます。
高齢者の場合のターミナルケア施設を選ぶ視点
高齢者のターミナルケア施設を選ぶ際には、以下の視点を考慮することが重要です。
- 認知症への対応: 認知症の症状がある場合、認知症ケアに特化した施設や、認知症の専門知識を持つスタッフがいる施設を選びます。
- 持病への対応: 持病がある場合、持病の管理や治療に対応できる施設を選びます。
- リハビリテーション: 身体機能の維持・向上を目的としたリハビリテーションを提供している施設を選びます。
- 看取りへの対応: 看取りまで対応可能な施設を選びます。
- 費用の問題: 予算に合わせて、無理なく支払える範囲の施設を選びます。
ターミナルケア施設の費用について
費用の内訳
費用の内訳は、施設の種類やサービス内容によって異なりますが、一般的には以下の費用が含まれます。
- 入居一時金: 入居時に支払う一時金です。施設によっては不要な場合もあります。
- 月額利用料: 毎月支払う費用で、居住費、食費、管理費などが含まれます。
- 介護サービス費: 介護サービスを利用した場合に発生する費用です。介護保険が適用される場合があります。
- 医療費: 医療機関での受診や治療にかかる費用です。医療保険が適用されます。
- その他費用: おむつ代、理美容代、レクリエーション費用など、個別に発生する費用です。
費用を抑えるためのポイント
ターミナルケア施設の費用を抑えるためには、以下のポイントを考慮しましょう。
- 介護保険の利用: 介護保険が適用されるサービスを利用し、自己負担額を軽減します。
- 高額療養費制度の利用: 医療費が高額になった場合、高額療養費制度を利用し、払い戻しを受けます。
- 補助金・助成金の利用: 地方自治体によっては、ターミナルケアに関する補助金や助成金が支給される場合があります。
- 低所得者向けの制度の利用: 低所得者向けの減免制度や、生活保護制度などを利用します。
- 相部屋の選択: 個室よりも相部屋の方が費用を抑えられる場合があります。
高額療養費制度の活用
高額療養費制度は、医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。ターミナルケアにおける医療費も対象となります。高額療養費制度を利用することで、経済的な負担を軽減することができます。
ターミナルケアに関するQ&A
Q誰でも受けられる?
ターミナルケアは、基本的には誰でも受けられるものではありません。一般的には、終末期医療が必要と判断された方が対象となります。具体的には、がん、心不全、呼吸器疾患などの進行した病気で、積極的な治療が困難となり、余命が数ヶ月以内と診断された方が対象となることが多いです。ただし、施設の受け入れ状況や、患者さんの状態によっては、必ずしもターミナルケアを受けられるとは限りません。事前に医療機関や施設に相談し、受け入れ可能かどうかを確認することが重要です。
Q ターミナルケアで介護できることは?
ターミナルケアにおける介護は、患者さんのQOL(生活の質)を維持・向上させるために、様々なサポートを行います。
- 身体介護: 食事、入浴、排泄、着替えなど、日常生活に必要な介助を行います。
- 生活援助: 掃除、洗濯、買い物など、日常生活をサポートします。
- 服薬管理: 薬の飲み忘れがないように、服薬を管理します。
- 褥瘡予防: 床ずれ(褥瘡)を予防するために、体位変換や皮膚のケアを行います。
- 口腔ケア: 口腔内を清潔に保ち、感染症を予防します。
- 精神的なサポート: 患者さんの話を傾聴し、不安や孤独感を和らげます。
- 家族へのサポート: 介護方法の指導や、精神的なサポートを行います。
Q 期間は?
ターミナルケアの期間は、患者さんの病状や状態によって大きく異なります。数日から数ヶ月程度となることが一般的ですが、予測は困難です。看取りの時期が近づくと、症状の変化に応じて、よりきめ細やかなケアが必要となります。ターミナルケア期間中は、患者さんの状態を注意深く観察し、適切な医療や介護を提供することが重要です。
Q 緩和ケアとの違いは?
ターミナルケアと緩和ケアは、どちらも終末期医療における重要なケアですが、その目的や対象となる患者さんが異なります。
- 緩和ケア: 病気の種類や進行度に関わらず、痛みや吐き気などの症状を緩和し、QOL(生活の質)を向上させることを目的としたケアです。病気の早期から提供されることがあり、延命治療と並行して行うことも可能です。
- ターミナルケア: 治療が困難となった病気を抱え、余命が数ヶ月以内と診断された患者さんに対し、身体的苦痛や精神的な苦悩を緩和し、QOLを維持・向上させることを目的とした医療や看護、介護、およびその家族へのサポートを指します。
ケアの種類 | 目的 | 対象となる患者さん | 提供時期 |
緩和ケア | 症状緩和とQOLの維持・向上 | 病気の種類や進行度に関わらず、症状に苦しんでいる患者さん | 病気の早期から、延命治療と並行して行うことも可能 |
ターミナルケア | 症状緩和とQOLの維持・向上、看取りの支援 | 治療が困難となり、余命が数ヶ月以内と診断された患者さん | 終末期 |
まとめ
施設選びの重要性
施設選びは、患者さんが最期をどのように過ごすかを左右する、非常に重要な決断です。適切な施設を選ぶことで、患者さんは身体的な苦痛を和らげ、精神的に安定した状態で、尊厳ある最期を迎えることができます。また、家族にとっても、安心して患者さんを見送ることができるという点で、大きな意味を持ちます。
安心して過ごせる施設を見つけよう
安心して過ごせる施設を見つけるためには、施設のサービス内容、費用、スタッフの質、環境などを総合的に検討することが重要です。患者さんの状態や希望、家族の状況などを考慮し、最適な施設を選びましょう。複数の施設を見学し、スタッフと話をすることで、施設の雰囲気やケアの方針を知ることができます。
まずは相談を
施設選びに迷ったら、まずは専門機関に相談してみましょう。医療機関の医師や看護師、地域包括支援センターの職員、介護相談窓口の相談員などに相談することで、適切なアドバイスや情報提供を受けることができます。一人で悩まず、専門家の力を借りながら、最適な施設を見つけましょう。
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