介護保険で訪問看護を利用するには?サービス内容と費用を徹底解説!

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介護保険を利用した訪問看護サービスは、ご自宅で療養されている方が、看護師による専門的な医療ケアを受けられる制度です。この記事では、介護保険における訪問看護のサービス内容、費用、利用条件、手続きの流れなどを詳しく解説します。高齢者の方やご家族、介護に関わる方にとって、訪問看護の利用を検討する上で役立つ情報が満載です。

目次

介護保険と訪問看護

介護保険で利用できる訪問看護の種類

介護保険制度に基づき、要介護認定を受けている方が利用できるサービスです。訪問看護ステーションの看護師が、ご自宅に訪問し、医師の指示に基づいた医療的なケアを提供します。 具体的には、採血、点滴、注射、褥瘡(床ずれ)の処置、ストマケア、経管栄養など、様々な医療的処置が行われます。 また、健康状態の観察、服薬管理、リハビリテーションの指導なども含まれます。 さらに、ご本人やご家族への介護指導や相談にも対応します。

介護保険適用時の特徴と仕組み

介護保険適用時の訪問看護は、要介護度に応じて利用できるサービス内容や回数に制限がある場合があります。利用するには、まず介護保険の要介護認定を受ける必要があります。認定の結果、要介護1~5または要支援1・2と認定されると、訪問看護サービスを利用できるようになります。 また、利用できるサービスの範囲や回数は、ケアプランに基づいて決定されます。ケアプランは、ケアマネージャーが作成し、利用者の状態やニーズに合わせたサービス内容が記載されています。 介護保険の自己負担割合は、所得に応じて1割、2割、3割のいずれかとなります。(参考:厚生労働省 介護保険料の算定方法

医療保険との違いと優先順位

医療保険と介護保険の訪問看護は、対象となる病気やサービス内容、費用負担などが異なります。医療保険の訪問看護は、主に急性期の病気やケガの治療を目的とした医療行為が中心です。一方、介護保険の訪問看護は、慢性的な病気や障害を持つ方の生活の質を向上させるためのサービスです。基本的には、介護保険が優先されますが、厚生労働省が指定する特定の難病や末期の悪性腫瘍(がん末期)など、医療保険が優先されるケースもあります。(参考:介護保険と医療保険の違い

訪問看護を利用できる条件と対象者

利用可能な方の条件と必要な介護度

介護保険を利用できるのは、原則として65歳以上の方です。しかし、40歳~64歳の方でも、特定の疾病に罹患している場合は、介護保険の適用を受けることができます。 特定疾病とは、がん末期、関節リウマチ、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、後縦靭帯骨化症、骨折を伴う骨粗鬆症、初老期における認知症、パーキンソン病関連疾患、脊髄小脳変性症、脊柱管狭窄症、早老症、多系統萎縮症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症、脳血管疾患、閉塞性動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患、両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症などです。 また、要介護1~5、要支援1・2のいずれかの認定を受けている必要があります。(参考:厚生労働省 特定疾病

対象となる病気や状態の例

訪問看護の対象となる病気や状態は多岐に渡ります。例えば、がん、心臓病、脳卒中、糖尿病、呼吸器疾患、認知症など、慢性疾患や高齢に伴う様々な症状を持つ方が対象となります。 具体的には、以下のような状態の場合に訪問看護が有効です。

  • 身体の機能低下により、日常生活に支障が出ている場合
  • 複数の疾患を抱えている場合
  • 薬の服用管理に困難を感じている場合
  • 床ずれなどの創傷ケアが必要な場合
  • 呼吸器の管理が必要な場合
  • 認知症の症状により、介護が必要な場合
  • ターミナルケアが必要な場合

これらの状態は、単独でなく、複数合併しているケースも多くあります。

利用できない場合の注意点

医療保険が利用できないケースもあります。例えば、身体的な介護や医療的処置が必要ない場合、または、緊急性の高い医療処置が必要な場合(救急搬送が必要な場合など)は、訪問看護ではなく、病院や救急医療機関への受診が必要となります。

また、公的な保険で適応できないサービスが必要な場合は、自費でサービスを受けることも視野に入ります。

訪問看護サービスの利用手続きと流れ

訪問看護サービスの申請方法

訪問看護サービスの利用を検討される際は、訪問看護ステーションへ直接お問い合わせいただくか、ケアマネージャーにご相談ください。

  • 訪問看護ステーションへ直接お問い合わせの場合 ご自身の状況を伝え、サービス内容や利用の手続きについて詳しくご説明いただけます。
  • ケアマネージャーにご相談の場合 ケアマネージャーは、ご自身の状況を総合的に判断し、適切なサービス内容をケアプランに盛り込みます。その後、訪問看護ステーションへ連絡し、サービスの調整を行います。

どちらの方法でもご利用いただけます。

サービス開始までのステップ

訪問看護サービスの契約が完了したら、いよいよサービス開始です。しかし、実際にはスムーズにサービスが開始されるまでいくつかのステップがあります。まず、訪問看護ステーションから看護師が自宅を訪問し、利用者の状態を詳しく確認します。これはアセスメントと呼ばれ、身体状況、生活状況、医療状況、家族構成、介護状況など多角的に確認が行われます。このアセスメントに基づいて、個々のニーズに合わせたケアプランが作成され、サービス内容や訪問頻度などが決定されます。 その後、訪問看護師が定期的に訪問し、医療的なケアを提供していきます。 サービス開始当初は、利用者やご家族の不安を解消するため、看護師が丁寧に説明し、疑問点があれば解消するよう努めます。 サービス開始後も、定期的にケアプランの見直しが行われ、必要に応じてサービス内容の変更や調整が行われるため、安心です。 具体的なスケジュールは、訪問看護ステーションと相談しながら決定し、利用者にとって最適なタイミングでサービスを開始します。

ケアマネージャーや訪問看護師との連携

訪問看護サービスは、ケアマネージャーと訪問看護師の連携が不可欠です。ケアマネージャーは、利用者の状況を総合的に判断し、適切なサービス計画(ケアプラン)を作成します。このケアプランには、訪問看護サービスの内容、頻度、期間などが明記されます。 訪問看護師は、ケアマネージャーが作成したケアプランに基づいて、医療的なケアを提供します。 そのため、ケアマネージャーと訪問看護師の間で定期的に情報交換が行われ、利用者の状態の変化やニーズに対応したサービス提供が実現します。 例えば、利用者の状態が悪化した場合、ケアマネージャーは訪問看護師にその情報を伝え、訪問頻度を増やすなどの対応を協議します。 また、必要に応じて、医師や他の介護サービス事業者との連携も図られます。 この密な連携によって、利用者は質の高い、そして継続的な介護サービスを受けることができます。 疑問点や不安なことがあれば、いつでもケアマネージャーや訪問看護師に相談することが可能です。

訪問看護にかかる費用と負担額

介護保険適用時の費用負担額の目安

介護保険が適用される訪問看護の費用は、1回の訪問時間や頻度、そして利用者の所得に応じて異なります。 例えば、1回の訪問時間が30分の場合は、1回あたりの費用は数千円から1万円程度になることが一般的です。しかし、これはあくまで目安であり、実際の費用は訪問看護ステーションによって異なります。 また、介護保険の自己負担割合は、所得に応じて1割、2割、3割のいずれかとなり、介護保険制度における自己負担額は、その割合に応じて変動します。(参考:厚生労働省 介護保険サービス利用時の自己負担額) 訪問回数が多くなればなるほど、費用も増加します。 事前に訪問看護ステーションに費用について確認し、予算に合わせて利用計画を立てることが大切です。

介護保険以外の費用(自費や民間保険)の例

介護保険の給付範囲を超えるサービスや、介護保険の適用外のサービスを利用する場合は、自己負担(自費)が必要になります。 例えば、介護保険ではカバーされない特殊な医療材料を使用する場合や、夜間・早朝訪問などの時間外訪問が必要な場合は、追加費用が発生することがあります。 また、訪問看護師の交通費なども、場合によっては自費負担となる可能性があります。 さらに、民間保険に加入している場合は、保険金が給付される可能性があります。 しかし、給付される金額は、加入している保険の種類や条件によって異なりますので、事前に保険会社に確認することをお勧めします。 これらの費用を事前に把握し、経済的な負担を軽減するためには、訪問看護ステーションとしっかりと相談することが重要です。

費用を抑えるためのポイント

訪問看護の費用を抑えるためには、まず、必要なサービスを的確に把握することが重要です。 不要なサービスは減らし、本当に必要なサービスに絞り込むことで、費用を抑えることができます。 また、ケアマネージャーと相談し、介護保険の範囲内で可能な限りサービスを利用することが大切です。 さらに、民間の介護保険と併用することで、経済的な負担を軽減できる可能性もあります。 ご自身の状況や経済状況に応じて、最も効率的で経済的な方法を選択することが重要です。

訪問看護と訪問介護の違い

サービス内容の違い

訪問看護と訪問介護はどちらも在宅介護サービスですが、提供されるサービスの内容が大きく異なります。訪問看護は、看護師が医療的なケアを提供するサービスです。具体的には、点滴、注射、褥瘡の処置、服薬管理、健康状態の観察など、医療行為が中心となります。 一方、訪問介護は、介護福祉士などの介護職員が日常生活のサポートを行うサービスです。具体的には、食事、排泄、着替え、入浴などの介助、掃除、洗濯などの家事援助などが含まれます。 訪問看護は医師の指示に基づいた医療行為であり、訪問介護は日常生活の援助が中心である点が大きく異なります。(参考:訪問看護と訪問介護の違い

利用の目的に応じた使い分け

訪問看護と訪問介護は、それぞれ異なる目的で利用されます。医療的なケアが必要な場合は訪問看護、日常生活のサポートが必要な場合は訪問介護を利用するのが一般的です。しかし、実際には両方のサービスを併用するケースも多くあります。 例えば、糖尿病で血糖値管理が必要な方の場合、訪問看護で血糖値の測定やインスリン注射を行い、日常生活のサポートは訪問介護に依頼するといった具合です。 利用者の状態やニーズに合わせて、最適なサービスを選択することが重要です。 ケアマネージャーと相談しながら、それぞれのサービスの特徴を理解し、効果的に使い分けることで、より質の高い在宅介護を実現できます。

まとめ:介護保険で安心して訪問看護を利用するために

介護保険適用のメリットと注意点

介護保険を適用した訪問看護のメリットは、経済的な負担が軽減されることです。所得に応じて自己負担割合は異なりますが、医療保険と比較して負担額を抑えることができます。 しかし、介護保険の適用には、要介護認定が必要であり、サービス内容や利用回数にも制限があります。 そのため、事前にケアマネージャーと相談し、自身の状況に合わせた適切な利用計画を立てることが大切です。

自費や民間保険を含めた選択肢

介護保険の範囲外のサービスが必要な場合は、自費負担が必要となる可能性があります。 経済的な負担が大きくなる可能性があるため、事前に費用を確認し、予算に合わせてサービスを選択することが重要です。 また、民間保険に加入している場合は、保険金が給付される可能性があります。 加入している保険の種類や条件によって給付額が異なるため、事前に確認しておく必要があります。

必要なサポートを見つけるためのヒント

訪問看護サービスを利用するにあたっては、信頼できるケアマネージャーや訪問看護ステーションを見つけることが重要です。 また、地域包括支援センターや市町村の介護保険担当窓口などに相談することで、適切なサービス提供事業者を紹介してもらうことができます。 ご自身の状況に合ったサービスを選択し、安心して在宅生活を送れるよう、専門家のサポートを受けることが大切です。


プリュムでは、東京都港区、目黒区、品川区、中野区を中心に、訪問看護サービスを提供しております。ご自宅での療養を支えるため、経験豊富な看護師が、医療的ケアから日常生活のサポートまで、丁寧に対応いたします。介護保険適用についてもご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせフォームまたは電話にてご相談ください。


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